サイアザイドによる日光過敏型薬疹

80代女性 2021年6月 トリクロルメチアジド内服を開始してから顔面の発赤が出現。
内服を中止したところ、すぐに改善している。

 薬剤で誘発される日光過敏症がある。有名なのは湿布剤。「鑑別診断では、いつも心に薬と結核を」 (八ヶ岳診療日記より)

https://www.shinagawaseasideclinic.com/skin/atoz/ka/kousenkabinshou.html
光線過敏型薬疹(photosensitive drug eruption)
薬剤の全身投与後に、日光暴露(特にUVA)により光露出部に皮疹が生じます。
原因薬剤は、フェノチアジン系向精神薬、ニューキノロン系抗菌薬、グリセオフルビン、プロピオン酸並びにオキシカム系NSAIDs、チアジド系降圧利尿薬、スルフォニル尿素系経口糖尿病薬、筋弛緩薬(アフロクァロン)、5-FU、ソラーレン、金製剤、ダカルバジン、抗不整脈剤(塩酸チリソロール)、高脂血症治療薬(シンバスタチン)、降圧剤(シラザプリル)など多数あります。最近、アンギオテンシンII 受容体拮抗薬とチアジド系降圧利尿薬であるヒドロクロロチアジドを配合した合剤が発売されていますが、このヒドロクロロチアジドによる光線過敏型薬疹が頻発しているので注意が必要です。