Anemia and iron dificiency: effects on pregnancy outcome
The American journal of clinical nutrition誌より・・・・妊婦への鉄剤投与の重要性についてhttps://academic.oup.com/ajcn/article/71/5/1280S/4729385
ABSTRACT 要約
This article reviews current knowledge of the effects of maternal anemia and iron deficiency on pregnancy outcome. A considerable amount of information remains to be learned about the benefits of maternal iron supplementation on the health and iron status of the mother and her child during pregnancy and postpartum.
この論文では貧血と鉄不足の妊娠に対する影響についてとり上げている。妊娠期および産後の母子に対する鉄サプリ投与の効果についてはまだ十分に知られていない。
Current knowledge indicates that iron deficiency anemia in pregnancy is a risk factor for preterm delivery and subsequent low birth weight, and possibly for inferior neonatal health. Data are inadequate to determine the extent to which maternal anemia might contribute to maternal mortality. Even for women who enter pregnancy with reasonable iron stores, iron supplements improve iron status during pregnancy and for a considerable length of time postpartum, thus providing some protection against iron deficiency in the subsequent pregnancy. Mounting evidence indicates that maternal iron deficiency in pregnancy reduces fetal iron stores, perhaps well into the first year of life. This deserves further exploration because of the tendency of infants to develop iron deficiency anemia and because of the documented adverse consequences of this condition on infant development. The weight of evidence supports the advisability of routine iron supplementation during pregnancy.
現在の医学知識では、妊娠中の鉄欠乏性貧血は早産および早産に伴う低体重児の出産を引き起こす。それは乳児の健康不良につながる可能性がある。どの程度の貧血が、どのくらいの頻度の出産時胎児死亡につながるのか、データは十分でない。
妊娠時に十分な鉄の体内ストックがあった女性でも、鉄剤の投与は妊娠期と産後の一定期間の鉄の状態を改善させる。また、次の妊娠における鉄欠乏の予防にもつながるであろう。妊婦の鉄欠乏は、胎児の鉄貯蔵の不足につながり、人生の最初の1年に影響をおよぼすことが、多くのエビデンスで示されている。妊娠期にルーティンに鉄サプリメント投与することが有用であることが、多くの研究で示されている。
Introduction(部分引用)
WHOによると、発展途上国の妊婦の35-75%に貧血が認められる。(平均56%)工業化された国では18%が貧血となる。しかし、妊娠していない女性であっても発展途上国では43%、工業化された国でも12%が貧血なのである。貧血未満の鉄不足の状態の有病率はさらに高い。
母胎のフェリチン値は妊娠12週から25週にかけて、急降下する。おそらく母胎の循環血液量が増加するためである。鉄の胎児への移行は主として妊娠30週以降におこる。
Effect of anemia on maternal mortality and morbidity(妊娠期の貧血と死亡率および罹患率・・・部分引用)
10万人当たりの妊産婦死亡率はインドでは27人、パキスタンでは194人である。
Maternal anemia and birth weight(妊娠貧血と出生体重・・・部分引用)
妊娠期のヘモグロビン値と出生体重は、逆U字型のグラフになる。ヘモグロビン値が高すぎる場合、(普通、循環血漿量の増大が不足している。)体重が少なくなる。
ヘモグロビン値が低い場合も体重が少なくなる。
Maternal iron dificiency anemia and duration of gestation(妊娠期貧血と妊娠期間・・・部分引用)
妊娠初期の鉄欠乏性貧血と早産、低出生体重児の出産の関連は十分なエビデンスがある。
Maternal anemia and infant health(母胎の貧血と新生児の健康・・・部分引用)
母胎の貧血と新生児のアプガースコアに負の相関があることが報告されている。
Benefits of iron supplementation on maternal iron status(鉄投与のベネフィット・・・部分引用)
妊娠中の鉄投与は妊婦の貧血やヘモグロビン値を改善させる。出産後の鉄の投与も有用である。出産時には出血をおこす。授乳も必要であり、次の妊娠に備えることもできる。
Benefits of maternal iron supplementation on iron status of the fecus and infant(胎児および新生児への効果・・・部分引用)
母胎のヘモグロビン値と臍帯血のヘモグロビン値には相関関係が認められない。母胎のフェリチン値と臍帯血のフェリチン値には相関がある。貧血の母親から生まれた新生児はより貧血になりやすい。(オッズレシオ5.7)