絨毛機能不全症候群について
ドクターサロン 2026年2月号より
①運動性線毛気道(鼻や鼻腔、気道)には、一つの細胞に200-300本ほどの運動性線毛という小さな毛が生えています。それが1秒間に10‐20回ほど波打って、粘液を上に押し上げたり、入ってきた異物、微生物などを弾き飛ばすような役割をしています。その動きが先天的に障害されて弱まっている方は慢性的な感染をおこしやすく、臨床症状として、慢性の副鼻腔炎や中耳炎、気管では気管支拡張症が起こります。
運動性線毛は、気道だけではなくて、例えば精子鞭毛や卵管にもありますので、そういったところが原因となって不妊症を呈したり、そのほか、先天性の心臓病なども起こすことがあります。②先天性疾患。幼少期から症状が起こってくるのが普通。常染色体優性遺伝が多い。
③DRC1遺伝子の異常では内臓逆位を呈さないことが知られています。古典的には絨毛機能不全症候群の約50%に内臓逆位がみられ、カルタゲナー症候群と呼ばれていますが、日本は内臓逆位を伴わないタイプの遺伝子異常が約半数を占めていることになります。
④英国ではメッセンジャーRNAを使った遺伝子治療の開発が進められている。
⑤気管支拡張症にマクロライドが有効な例もある。
⑥好中球エラスターゼを阻害する試み
⑦診断のスタンダードは遺伝子検査や電子顕微鏡検査