虫垂炎はどこにある?

ステップビヨンドレジデント 2巻より

実は、マクバーネーのオリジナルのスタディでは症例は10例にも満たなく、現代のエビデンスというにはなかなか寂しいものがある。注腸検査で虫垂の位置を調べたスタディでは、2/3の症例でこのマクバーネーのポイントより5cm以上離れたところに虫垂を認めたと報告している。面白いのは虫垂自体は右下腹部にあるものの、虫垂の先端は腹部のどこにでも伸びている場合があるということだ。盲腸の後ろに回った虫垂炎の場合は、右側腹部や右上腹部に痛みを訴える。虫垂炎の80%はたしかに右下腹部痛を訴えるが、20%はそれ以外の部分に圧痛があることになる。ということは、エコー検査では、最も圧痛のあるところにエコーを当てれば、虫垂炎がみつかる可能性が高くなるというのは自明の理だ。もっとも左側の虫垂炎、つまり内臓逆位の虫垂炎なんてなかなか思いつかないけどね。