器質化肺炎とは?

ドクターサロン 2025年9月号より

 肺組織への何等かのトリガーにより、その後に生じる肺組織の修復過程へと移行する一連のパターンを示す病態です。

この症例のように、最初に診た医師が肺炎と判断して抗生剤を投与したが、反応が悪いので専門医に紹介した結果、気質化肺炎と診断された。

 浸潤性粘液性腺がんや悪性リンパ腫などの悪性疾患や、好酸球性肺炎など良性疾患も鑑別するために気管支鏡検査を行います。

 一般的にはステロイドが中止になります。(治療の)ステロイドへの反応性は比較的良いことが多く、0.5-1mg程度のプレドニゾロンから投与し、治療反応をみながら漸減していくことになります。

 反応は良いのですが、一つの目安として20㎎/日よりも高容量投与時に再燃した場合は、気質化肺炎以外の疾患をもう一度考えたいところです。 例えば悪性リンパ腫など、器質化肺炎以外の何かを疑わなければならないと思います。
 また、ステロイドを順調に減量できていても、10㎎よりも低用量になり、最終的にゼロにまでできることもあるのですが、そのあたりで再燃することもあります。特発性器質化肺炎や二次性の器質化肺炎でもそのそのトリガーががコントロールできていない場合では、ステロイド減量注に再燃することが多くみられます。そういった場合はやはり原因が何なのか、きちんとコントロールできているのかを繰り返し吟味する必要もあります。l

 一般の医師が肺炎と判断して抗生剤を投与したけれども、反応が良くない場合には器質化肺炎を考えて呼吸器内科医に紹介するというメッセージをいただきました。ありがとうございました。

 コメント:トリガーが何か?が実際にはつかめないのだろうと思う。