エリートはさまよう

フランスがワールドカップで優勝しましたね。

エマニュエル・トッド 「グローバリズム以後」より

私が一番よく判断できるのはフランスのエリートです。彼らは、グローバル化について普遍主義的な考え方を最も強く主張しています。彼らは、他の誰よりも、欧州は存在しなければならない、様々な人民というのは存在しない、などと言いつのります。けれども、諸国民の違いをなくしてしまうというヒステリックな考え方こそが、フランスのエリートがフランス文化の戯画であることを示しています。普遍的な人間という視点からものを考えるのは典型的にフランス的です。そして彼らは、その極端にまで行ってしまう。

けれども、彼らが「普遍的人間」なんて叫んでいる、そのこと自体が、彼ら自身こそ典型的なフランス人の戯画であることを示しているのです。

そして、彼らは世界についても知らないのです。世界を知っていれば、こう言うでしょう。そう、人間は普遍的だ、けれども社会は違っている、文化的な違いもある、と。
 

これは、欧州のエリートが主導するグローバリズムへの批判です。
日本のテレビや新聞などの一般メディアで、グローバリズム批判はほとんど目にしません。
日本のエリート層も、グローバリズム推進の考えなのでしょう。グローバリズムは、アイデンティティーの喪失、格差社会、移民問題、最終的にはテロをもたらす。