頭皮部からの植皮・・・夏井先生ブログより
http://www.wound-treatment.jp/next/case/tokyo/case/4527/index.htm
小児熱傷では形成外科の先生たちは「頭皮から採皮して植皮」を勧めます。理由は「頭部採皮部の瘢痕は髪に隠れて見えなくなるから」です。そういう医者の甘い言葉を真に受けると、こんな惨状になります。瘢痕を隠す髪はもう生えてきません。そして、禿状態が改善することなく、この子を一生苦しめます。それが「頭皮部からの採皮」です。
なぜこんな惨状を呈するかというと、頭部、特に小児の頭部は採皮部に向いていないからです。ほぼ球形であるため、デルマトーム(形状は平面上)で採皮すると「中心部は厚く、それ以外は薄い皮膚」しか採れません。だから、採皮の中心部は毛根まで一緒に採れ、その結果、禿になります。そして採取した皮膚の辺縁部は薄すぎて使い物にならず、結局廃棄されます。当然、皮膚が足りなくなり、更に採皮することになり、禿の面積がさらに広がります。
ただ、悲しい。