アリセプトの副作用について

2018年1月3日再掲

2018年1月3日再掲

認知症治療研究会誌 平川 亘先生の論文より・・・先日、アリセプト内服中で、原因不明に立ち上がれなくなられた方が受診されました。

運動系の副作用も語られているよりもかなり多い。ChE阻害薬で知られた副作用はドーパミン減少によるパーキンソニズムだが、実際には脚力が低下するなど歩行に関する副作用を非常に多く目にする。

80才以上のアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の場合、ほぼ全例で脚力が低下する。 これらの副作用は治療後1ヶ月で認められることもあるが、半年あるいは一年を経過した後に遅発性に出現することが多い。

高齢者の歩行障害はフレイルやサルコペニアと理解され、副作用として気づかれない。

ドネペジルによる歩行障害は60代では少ないが、70歳代前半でも10%程度で経験され、治療開始から1年を過ぎてじょじょに脚力が低下することもある。脚力の低下は転倒につながる。