1.人畜共通感染症 身近なペットからの感染症 神戸大学 大路 剛先生

Bartonella henselae 猫ひっかき病
Capnocytophaga canimosus
Pasteurella multocida
敗血症をおこす。これらは犬猫共通。

寄生虫としてはToxoplasma gondii

①猫ひっかき病
猫に引っかかれたり、猫のみにかまれてBartonella henselaeに感染する。
所属リンパ節の腫脹と疼痛、発熱。
アジスロマイシン 3日
②敗血症
Capnocytophaga canimorsus
Capnocytophaga cynodegmi
Pasteurella multocida
入院3世代セフェム

③猫のトキソプラズマ
猫ふんのToxoplasma gondiiのooystで経口感染
急性期は伝染性単核症 妊婦感染で先天性障害
診断 一か月で抗体価の4倍以上の上昇


①敗血症 手をかまれるとおこす。
菌は猫に同じ。
Capnocytophaga canimorsus
Capnocytophaga cynodegmi
Pasteurella multocida
入院3世代セフェム

②Toxocala canis
犬の糞で汚染された砂場などの卵を食べてしまって感染。手洗いが一番大切。
発熱と好酸球上昇
全身感染で肝脾腫
眼球感染で失明することあり。

犬と猫にかまれた患者さんには破傷風予防を
抗生剤の予防投与( オーグメンチン3T+サワシリン3cap)
まれにBrucella canis…. GNB  発熱と関節痛など 慢性の経過 血清学的診断、血培


Chalmydophila肺炎
血清学的検査

爬虫類
サルモネラを保菌している可能性大

非チフス性サルモネラの診断
胃腸炎なしで発熱がメインのこともある。血液培養を

熱帯魚
非結核性抗酸菌症(Mycobacteriu marimum)が有名 培養採取がすべて

狂犬病
日本には基本的にいないはず。外国では犬、コウモリ、アライグマ、時に猫。危険地域に行くときには予防接種(ワクチン3回)を。
症状としてはじっと動かなくなる。恐水症状。四肢の筋力低下。ギランバレーと紛らわしい。

E型肝炎
イノシシやシカの生食。

肺吸虫症 イノシシ生食。 好酸球上昇。肺の結節。

エキノコッカス
キツネをかったりすると。 肝臓に腫瘤。
牛や羊などによるブルセラ症
生乳、チーズなどで感染。発熱、体重減少など慢性的な経過。慢性的に膿瘍を形成する。仙腸関節炎。
熊食
好酸球上昇と筋肉痛。 旋毛虫症
豚生食
有鉤条虫 痙攣で発症。
破傷風
50歳以上は予防接種してない。 10年に一回はブースターを。野生動物に襲われたときには。
アウトドアーズは打っておいたほうがよい。
顎口虫 淡水魚。皮膚の上をはう。
トキソプラズマ 生ハム。 猫。妊婦は生ハムを食べないほうがよい。

つつがむし病
さし口、体幹の皮疹。 肝機能障害、血小板減少、時に異型リンパ。 ペア血清のチェック。そけいぶ、陰部、腋下、膝窩で見逃されやすい。
日本紅班熱
さし口目立たない。局所症状を伴わない発熱患者。手しょう紅班、足底紅班。

2.旅行医学 山本舜悟先生

ポイント1 マラリアだけは絶対に見逃さない。
ポイント2 海外へいったことがありますか? と尋ねること。
ポイント3 潜伏期によって考える病気が異なる。
10日以内なら インフル(インフルエンザは世界各地で年中発生している。)、デング、腸チフス、リケッチアなど(一週間以内ならマラリアは否定的)
10日以上 腸チフス、マラリア、結核、A型肝炎
ポイント4 マラリアの症状
腹痛、嘔吐、筋肉痛、血小板減少、
末梢血 スメア検鏡を繰り返す。
ポイント5 意識障害のある発熱患者は診断不要。入院させる。
ポイント6 タイで発熱患者。マラリアかデングかリケッチアをまず疑う。
ポイント7 腸チフス 胆嚢にすみつくことあり。(健康保菌者)。下痢はまれ。むしろ便秘。血小板減少。乾性咳嗽。
血液培養を。
ポイント8 デング熱。淡い紅班。 血小板減少。ヘマトクリット増加。(血管透過性の亢進)
ポイント9 予防接種を A型肝炎 B型肝炎。 黄熱病。狂犬病。マラリア予防内服を。